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zoom RSS あけおめです。

<<   作成日時 : 2008/01/03 21:31   >>

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どうも、城ヶ崎です。
少し遅れましたが、皆さんにもお年賀です。
……と言っても、あれですね。写真、ありません(お
というわけで、推敲なしの、つまらん小説を用意。
暇つぶしに書いたんで、暇つぶしな感じにしかなってません。
まあ、長ったらしい年賀状というわけで、お願いします。




「ソフィアさん、ソフィアさん」
 学校の鐘が鳴り終わった直後、すらりと背の高い女性が少女の名を呼ぶ。
 女性からソフィアと呼ばれた少女は、背中にタカのように大きく、白鳥のように白い翼を持っていた。
 ソフィアは寝ぼけ眼で顔をあげた。どうやら、授業中少しだけ居眠りをしていたらしい。
 少しだけ、というのはただの推測だが。
「どうしたの? アナちゃん」
 ソフィアは、バランスのとれたかの女性をアナと呼んだ。見る限り、ソフィアよりもアナのほうが年上だと思われるが、アナはソフィアに対して『さん』付けで呼び、ソフィアはアナを『ちゃん』付けである。
 ちなみにアナの本名はテルル・アナン。おまけに言うと、ソフィアはソフィア・ブルースカイだ。
「今年は、何年でしたっけ?」
 アナが照れ笑いをした。
「アナさんって、忘れっぽかったでしたっけ?」
 ソフィアが小さく首をかしげた。頭にかぶる王冠のような、ビショップのかぶるカラス帽のようなものがずり落ちた。
 ソフィアは、それをもとに直した。ちなみにそれは帽子ではない。ポニーテールを束ねるためのリボンなのだが、それを知る者はほとんどいない。
「バーダー王国には、八年に一度、新年にダンスパーティーを行うと聞きました。それまであとどのくらいなのでしょうか……と思いまして」
 バーダー王国とは、今アナやソフィアがいる国だ。空中に浮く島にできた、鳥人の国なのだ。
 ちなみに、ソフィアも鳥の人、バーダーだ。
「いっか、アナちゃんはまだバーダー・ダンスパーティーに出たことないんだよね。まあ、そういう私も八年前だからほとんど記憶がないんだけどね……」
 ソフィアは帽子をもう一度かぶりなおした。すでに整っているはずなのに、もう一度なおしている。
 ソフィアの見た目から見て、八年前といえば少女は八歳前後だろう。記憶が薄らいでいてもおかしくはない。
「ええと、今年は三四五九年です。次のダンスパーティーが六一年ですから、三年後ですね」
 アナは、少し驚いた様子だった。
「え、まだそんなにあるんですか!?」
「大丈夫です。三年なんてあっという間ですよ」
 ソフィアがにこやかに言うと、アナの表情が一変した。
「あっという間……ねえ。確かに、年をとると時が経つのが早くなると聞きました」
 アナはソフィアに背を向ける。
「そういうこと、ですよ……ねえ?」
 ソフィアは、彼女の殺気に身震いした。
「いや、そういうわけじゃ……」
 そのとき、廊下の方で窓ガラスが割れる音がした。
 教室に残った生徒たちが野次馬として廊下に飛び出した。
「おい! またやったみたいだぜ!」
 野次馬男子の一人が大声を出した。
 ソフィアには、誰がやったのか見なくてもわかった。
 ガラス割りの常習犯がいるのだ。
「また、ですか……」
 アナがため息をついた。もう殺気は感じられない。
「今日という今日は……許さねえ……!」
 突如発生したアナの殺気は、ソフィアとは違う人物に向けられた。ソフィアはビクつき、鳥肌が立った。
 いつもなら、アナは礼儀正しく、それでいて優し。だが、アナは怒ると男っ気が出るのだ。ソフィアと彼女の付き合いはかなり長いが、急にこうなってしまうのは知っている。だが、それに慣れろと言われると話は別で、そんなことはほぼ不可能である。
 気がつけば、アナの姿が消えていた。
 ソフィアが見渡すと、廊下のドアを勢いよく開けていたのが見えた。
「ネオン! またオメエかバッキャロー!」
 ソフィアが立ち上がり、カバンを持って廊下の方へと歩くと、アナの怒鳴り声が耳に飛び込んできた。思わずソフィアは目をつむってしまう。
「窓割って何になんだ! すべて無駄無駄なんだよバッキャロー!」
 ゆっくりと目を開けると、アナがネオン――ガラス割り常習犯、ネオン・キーガス――の胸倉をつかんでいた。
「まあ、そうカッカすんなや。シワ増えるで」
 怒りの形相であるアナとは裏腹に、ネオンの方は笑顔である。
 それにしても、背が高い。女性の中ではかなり背の高いアナだが、その顔一つ分大きい。ソフィアの身長だと、ネオンの胸板辺りだ。年齢は、アナと同じくらいだろうか。
 ネオンは、異質な方言とともに毒を吐いた。
 アナの拳が震えだした。
「おめえ、俺にケンカ売ってんなあ……」
 ネオンは声をあげて笑った。
「留学生の嬢さんが、そんなこと言ってええと思っとるんか?」
 そして、ネオンは彼の肩をわしづかみするアナの手をとった。その手は、ガラスを破ったはずなのに傷一つ付いていない。
 留学生という言葉で、アナがライトウォンスという星からやってきた人間だということを再認識した。
 他星から(といっても、ほとんどライトウォンスだが)地球にやってくる人はそう少なくはない。ただ、それのほとんどはその星の優れた技術を伝えるためで、アナのように地球へ留学する人は珍しい。
 ソフィアはアナが地球へやってきたときからの知り合いなので知っている。そして、ガラスを割った青年ネオンもアナのことを知っているのだ。
「別にいいだろ……。ったく、おめえの体は自分のためじゃねえってこと、わきまえてんのか? おめえの体は、地球を守る体なんだってこと、忘れんじゃねえぞ」
 ネオンは、アナの言うとおり地球を守る体である。
 率直に言ってしまえば、彼は兵士である。
 そういえば、アナも守り専門だが兵士であることには変わりないのだ。
 留学生と言っていいものなのかわからないが、あれはネオンの皮肉なのだろう。
「だからこそ、力があるかどうかを確かめてるんや」
 そう言ってネオンはアナの頭をつつきながら廊下を去っていった。
 野次馬が退き、廊下の端に溜まった。ネオンが通った後には一本の道ができていた。
「な……あの態度はなんだ!」
 再度ケンカを売ろうとするアナを、ソフィアが必死に止める。
「アナちゃん、そんなに怒らないでよ……もう」
 ソフィアが頬を膨らます。
 アナの目の色が鮮やかになった。
「え……どうしたんですか? あの、えっと……こんな場所でそんなことをやられると私としても、あなたとしても……」
 穏やかな口調に戻っていた。少々しどろもどろと辺りを見渡していた。
 野次馬たちが二人をちらちらと見ている。
 この大勢の中でスキンシップ(ソフィアはアナの暴走を止めようとしただけなのだが)をするのは、ソフィアの方もご勘弁である。
「ご、ごごご誤解だよ! 私はただ……ただ……」
 ソフィアはうつむく。アナは暴走しているとき、記憶を失っている。しかも、その間の記憶を勝手に補填してしまっているので、何を言っても言い訳だと言われてしまう。
 だから、ソフィアは何も言えなかった。
「あの、すいません。ソフィアさんがあんな意味でそんなことをなさるわけがありませんよね。私の誤解でした」
 いつものアナは、とても優しい。ソフィアの肩に手を置いて微笑んだ。
 ソフィアもつられて笑った。


「じゃあ、私はここで」
 ソフィアとアナは、アナの家の前で別れた。
 アナの家は学校とつながっている寮である。しかも、学生寮ではなく、国立の騎士団寮である。
 先程も書いたが、アナは兵士である。プレアード騎士団に所属し、ソフィアや高階級の人間を護衛している。
 ソフィアは、バーダー王国の姫なのだ。だが、今の時代、姫も学校へ行き、特別な差別もされていない。そういうものなのだ。
 ちなみに、ガラスを割ったネオンもプレアード騎士団にいる。しかも、団長だ。放課後見たとおり、不良であるが、それなりに礼儀をわきまえている……はずだ。
「じゃあね、アナちゃん。ネオン君と仲良くしてよ」
「なんか、その言い方は私とネオンが恋人だって言ってるような気がしますよ」
 アナが照れ笑いをした。
「え……いや、そんなこと言ってないよ! うん、言ってない!」
 ソフィアがあわあわと否定した。
 アナが、手を振りながらドアを開けた。かわいい子ですね、と最後に呟いていたような気がする。
 ドアが閉まり、アナがいなくなった。
 ソフィアは、ため息をつく。
 そして歩きはじめた。
 長い廊下を歩く。
「私も、仲のいい男の子がいたらなあ……」
 独り言をつぶやいたつもりだった。
「なら、僕と付き合いませんか?」
 翼の羽が逆立った。
 柱の陰に誰かが立っていた。
「付き合いましょう。楽しいですよ。仲良くしましょう」
 柱の陰から、見覚えのない男が現れた。ソフィアは後ずさりをする。
「ごめんなさい!」
 ソフィアは後ろを向き、一気に駆けだした。
「おっ! ちょ、待て!」
 男が追いかけた。しかし、諦めが早かったのか、すぐに見えなくなった。
 ソフィアは後ろをちらと見、男がいなくなったことを確認すると歩きはじめた。
彼女は、その地位と容姿で大勢の男子から告白されたことがある。先程のものが初めてではない。だが、ソフィアにはわかった。彼らの視線は、ソフィアの外観しか観ていないことを。いや、ソフィア自身、性格がいいとか、そういうことは思っていないし、長所なんて考えても浮かんでこない。だが、明らかに表面上の告白なのだ。
 欲望だけの告白など、触れたくもなかった。
 そういうわけで、ソフィアはいまだ彼氏を持ったことがない。
 ソフィアは、階段を登る。ちなみに、ソフィアの家……王の住まいも学校とつながっている。
 簡単に言ってしまえば、ソフィアは今、王国の中央にそびえる巨大な塔の中にいるのだ。
 空に浮くが故、国土が狭い。なので、建国者であるソフィアの父は、センタータワーというこの塔を造り、その中に巨大な都市を築いたのだ。都市ができるのだから、想像を絶する大きさなのだろう。
 ソフィアの家は、その塔のてっぺんにある。窓から見る景色は、飛行機から地上を見るようなものだ。
 ドアに触れると、後ろから何かの視線がソフィアを貫いた。
「だれっ!」
 また告白か……と、ソフィアはとっさに後ろを向くが、誰もいなかった。ただ、階段と天井があるだけだ。
 だがしかし、まだ誰かがいるような気がする。
 しかも、見つめ合っているような気もする。
「誰なの……」
 ソフィアは、見えない恐怖で足がすくんだ。
 視線が、近づいてくる。気配は存分に感じる。だが、何も見えない。それがソフィアを混乱させる。
 ソフィアの目の前に手が差し伸べられているような気がした。恐い。恐すぎる。
「いやぁぁぁぁ!」
 ソフィアは恐ろしさのあまり気を失った。




……ってか、
まだ途中じゃないか。
すいません。暇つぶしです。


えー、こんな城ヶ崎ですけど、これからも宜しくお願いします。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
あけおめでっす!
ひとつだけ脱字発見・・・。
 いつもなら、アナは礼儀正しく、それでいて優し。
優しいですね。たぶん、それとも他の読み方があったりして!? そんなことないかもしれないかもしれない。(ぶっ壊れた)
と、報告しました。
ソフィアさんいいね〜。可愛いです。最後気失っちゃったけど(笑

それでは、今年もよろしくお願いいたします!

2008/01/05 14:32
 あけおめです〜。
 あ、誤字ですか。……『優しい』であってますよ。訂正しておきます。
 ソフィアはお気に入りです。気にいってもらえて本当に嬉しいです。
 気を失わせるのはちょっとひどいですけど。
(なら言うなよ)

 はい、今年もよろしくお願いします〜。
城ヶ崎ユウキ
URL
2008/01/06 08:53
もう2月になっちゃいましたけど、あけましておめでとうございます。
腐女子領域を越えオタク領域に突入してしまった室戸 暁です。
この記事が更新されてから1ヶ月経った今日、読みましたよ。(遅すぎなんだよ、ドアホが)
この話、続きあるんですか?! あるなら……すっごい気になります。ないのなら……是非書いてくださいw
とても面白かったです☆
(こんなことしか言えなくてすみません……((汗)

去年ろくに更新なんてしなかったこんなドアホな室戸 暁ですが、今年もよろしくお願いしますm(__)m
室戸 暁
2008/02/03 21:32
今更返信。本当に申し訳ないです。
あ、あけましておめでとうございます。
いよいよよくわからない道へと進んでいる城ヶ崎ユウキです。今年も(そろそろ三分の一終わりますが)宜しくお願いします。
コメントは、さらに一ヶ月と三週間後です。すいません。
はい、続きがあります。というか、この作品は単なる序章の序章に過ぎないので、続きの方が百倍くらいあります。
面白かったですか。嬉しいです。

それでは、室戸さん……から名前が変わって沖田さん、今年も宜しくお願いします!
城ヶ崎ユウキ
URL
2008/03/27 14:28

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